理系的恋愛論

そんなわけで恋愛小説家(志望)のこまきまこです
いやね、今は普通のバイオベンチャー研究員の私ですが
夢は小説家になることなんです
ってより、究極の夢は
弁理士と小説家と薬剤師と研究者と革命家
そして夏焼雅の旦那
この6足の草鞋を履くことです
ま、6足を望めば
5割でも3足は履けますからね
えぇ、夢は大きく、です




さて、そんな恋愛小説家(志望)のこまきまこですが
日々の糧は先ほど書いたとおり
研究員として日々、タンパク質との格闘に明け暮れていまして
まあ、バイオベンチャー企業に所属しておりまして
この会社の研究員、今年の春先には6人いたのが
あれよあれよと言う間に
気が付けば僕を含めて3人になってしまいました
6人でも人手不足気味だったところが
半年で半減
まあ、会社に問題があるんでしょうけど
そんな原因追求よりもとりあえず人手を確保しないと研究所が成立しない
そんなわけで新入社員を雇い入れたんですよ
つい先日の11月1日に
そりゃ
メガネっ子ショートカット低身長ツンデレ♀研究員
ならばいうことないんですが
そんな僕の希望は聞き入れられずに
所長が採用したのが
もともとDNAがらみの仕事をしていた女性研究員
いや、タンパクの仕事やのに…
そんな思いが頭をよぎらないわけではなかったのですが
もともと彼女が所属していた研究室がタンパク質のラボで
一応、それ絡みの仕事ちょっとはしたことある、ということ
そして何と言っても背は腹に変えられない
そんな事情で採用されたんですがね…




え〜っと…




いや、年上で、一応、Ph.Dまで取得されている方に
こんな言い方したくないんですがね…





この女、9日以来来やしねえぇえええ















まあ、本人曰く、仕事に馴染めない、だとか
体調が悪い、だとか言ってるんですがね
いやね、どうも自分と、あと皆の聞いた話を総合すると…

















彼氏(厳密に言うとこれも違うらしい)にフラれて鬱になって
会社に来れなくなったらしい…


































え〜っと…
























その理屈なら
村上さんを失った俺も仕事辞めていいんじゃね???




















…いやいや、まあね、色んな話を総合すると
その彼氏もどきと上手く行ってない
ってか、ぶっちゃけフラれた
で、会社来たら来たで実験上手くいかない
更に精神的ダメージより肉体的にダウン
なんかそんな感じなんですけどね
けどね、え〜っと…






















フラれたくらいでみんなでやる実験を止めないで下さい
いや、マジで
それは4年生のやることです
Doctor of Philosophyのやることじゃありません



















いやね、ま、そんな私の愚痴はいいんです
そう、それより私が気になったのは
それくらいのことで凹んで実験しなくなる、ってこと
それくらいのこと、とか言うな!この童貞野郎!
とか言われそうですが
ナニを仰いますやら
いいですか?
研究者たるもの、フラれたどころか
村上愛を失ってもラボに入って白衣を着れば
マイクロリットル(メグミルク1Lパックの100万分の1)オーダーの仕事を
正確にしなければいけないのです
ミリグラム(耳クソくらいの重さ)オーダーを
正確に秤量しなければならないのです
ってか、僕の11月の仕事はそんな感じです
そりゃラボを出て白衣を脱いだら
もう…ね…頭の中はあの件で一杯でしたよ
同じ思考をグルグル繰り返してましたよ
でもね、ラボで白衣を着てタンパクを前にすると
(タンパクそのものは見えないけどねw)
そりゃ、もう…ねえ…




ってかね、そうでもなければPh.Dどころか
修士すら取れないですわ
えぇ、マスターのMはマゾのM
そう言われるくらい
修士ってのもそれなりに大変なもんですからね




なのに、この人、Ph.Dなんですよね
何なんでしょう?
そう考えてフッと思ったんですよ




先ほども言いましたけど
この人、DNAが専門で
このDNAの実験ってのは
私も院生時代にやったんですがね
まあ、タンパク質の実験が打率なら
DNAの実験は守備率、て感じなんですよね
誇張して言うと
はっきり言ってタンパク質の実験なんて
基本的に失敗するもんなんです
キットとかで使ってマニュアルがあったとしても
個々のタンパクの個性などに阻まれ
一回目は失敗する
そんなもんなんです
それに比べDNAの方は
確かに神経は目一杯使いますが
(兎に角コンタミに気を払ったり量を正確にしないと上手くいかないので)
でも、まあ、真面目にやってればそれなりに上手くいく傾向にありましてね
でね、思ったのは
この人、多分、実験とか失敗すること少なかったから
だから失敗馴れしてないんだろうなあ
だから、実験失敗が上に重なったとはいえ
彼氏もどきにフラれたくらいで
ここまで凹んじゃうんだろうなあ
って




で、僕とかタンパク質を専門にしてきた人間は
基本的にタンパク質は人の言うこと聞きませんからね
失敗するのが普通と思ってる
ってか、失敗して転ばなきゃ先に進めない、くらいに思ってる
だからフラれても
それこそ今回のような件があっても
いや、そりゃ凹みますけどね
凹むけど
ぶっちゃけ失敗馴れしている
故に失敗して凹んでも一晩経てば動けるし
もうその失敗はしないようにそれなりに気をつける
そんな風になってきますわな




そう、理系人間の恋愛に対する態度
出会いにしろフラれたときにしろって
実は結構、自分の専攻に関係してるんじゃないかな?
今回のことでそう思った次第であります




まあ、大体、専攻とかって
自分の趣味とか興味とかに関わってるから
やっぱり究極のところ
そこまで込みで、その人の人間性、なんでしょうけどね




しかし…タンパク質のような
かなり極限的な理不尽さを誇るものが
研究究対象である僕のような
理不尽馴れしている人間でも
人類の約半分の理不尽さには歯が立ちません
それを思うと
もっと理屈に合うものを研究対象にしている理系人間って
やっぱり…なあ…と思うわけで
結局結論は…




















今こそ理系革命のとき!!!!!









なんですがね…